Nikon Fの世界 第12話 コレクター保管品 奇跡のNikon F 赤点付き①(659XXXX)
こんにちはMinoluです。 今回は大変貴重なNikon F 659XXXX番の紹介です。
手元に置いておくつもりでしたが、万が一私が今の状態を悪化させてしまっては、後世の方に申し訳ないので手放す決心をいたしました。(責任放棄??)
ただし未使用品ではなく、状態から見ると使用頻度がかなり少ない個体になります。
こちらがそのFです。
ほぼ間違いなく長年コレクターの方が大切に保管されていた奇跡のNikon F +50mm F2です。
そして驚くことに、元箱のほかに梱包箱まで残っており、その梱包箱にはカメラとレンズのシリアルナンバーの印字があります。
もちろんですが、このシリアルナンバーはここにある本体およびレンズと一致しています。
驚くべきことはそれだけではありません。
この奇跡の保管品は購入した時に箱に入っていた物がほぼそのまま残っているタイムカプセルです。
以下に列挙しますがすべて当時(1965年/昭和40年)のものです。
(2023年時点において58年も前のもの)
・取扱い説明書
・ニッコールクラブのご案内
・ニッコールクラブ申込書(未記入のも)
※入会金が100円だったのですね。
・ニッコールフィルターの使用説明書
・これらの用紙を入れる「NIPPON KOGAKU TOKYO」のビニール袋
・ニッコールレンズカタログ
・本体を包む「NIPPON KOGAKU TOKYO」のビニール袋
・「NIPPON KOGAKU TOKYO」のシリカゲル(乾燥剤)
・カメラ本体の底を保護するプラカバー
・元箱
・梱包箱
梱包箱は段ボール製でフタの蝶番にあたる場所はギリギリつながっている状態です。
「NIPPON KOGAKU TOKYO」のシリカゲルは初めて見ました。
そして使用感がほとんどない赤点付きNikon Fと50mm f2。
(レンズキャップは私が時代矛盾のないものを後付けしました)
こんなにもチリの少ない中古レンズは初めて見ました。
そしてPhotomicファインダー。
中古市場ではあまり人気のないPhotomicファインダーですが、このセットはPhotomicファインダーからPhotomic Tファインダー誕生の過渡期における生き証人のような珍品になります。
その歴史の記録という点において、当時非常に高価なこのカメラを撮影用の道具としてほとんど使うことなく、コレクションとして保管を決めた購入者の思いをはせて楽しむこともできます。
この赤点は当時新発売となったPhotomicTファインダーが装着できるように改造(ミラーボックスの一部を削って加工)されているということを示すマークなのですが、この赤点個体はPhotomicTではなく、赤点改造しているにもかかわらず最初からPhotomicが組み合わされているのです。
その証拠として梱包箱がとても大事な役目を果たしています。
この梱包箱はカメラのシリアルナンバーとそれが始めからPhotomicファインダーとのセットであることをキチンと語ってくれているのです。
カメラ本体の底を保護するプラカバーに割れもなく新品時のままです。
ただ、残念な点もあります。
「道具」はその機能をつかってやることで長生きします。
大抵の「道具」は使わなければ逆に劣化が進む場合があります。
こちらの個体も保管状態は比較的よかったのだとお見受けしています。
ただ2023年時点において既に58年が経過していますので、所処に経年劣化が出始めています。
大変残念ですが私にはこのFの劣化を止めることは出来ないので早めに責任逃れをさせていただこうと決心した次第です。
この貴重な逸品が誰か良い方の手に亘り後世に引き継がれることを願っております。
さらに詳しい状態については、こちらに多くの写真をアップしましたのでご確認ください。