Nikon Fの世界 第10話 Nikon F (684XXXX)
こんにちはMinoluです。 今回は簡易整備が完了したNikon F 684XXXX番の紹介です。
684万番台なので富士山マークではない1967年製造の一般的な中期モデルです。
では、個々にその特徴を観察していきましょう。
ファインダーはフォトミックTNファインダーでロット番号は443395でこちらの製造年も1967年頃なので、恐らく最初からこのペアリングだった可能性があります。
このTNファインダーですが、入手時から露出計の針は光に反応していたのですが、残念ながら露出ズレが基板での調整レベルの範囲を超えていました。
そこで左右のcdsセルを交換しましたので、露出計は動くのですが製造時の純正cdsセルではありません。
アクセサリーシューの部品や巻上げレバー等、684万番台の部品と矛盾がないことが分かります。(ただ、この組み合わせはNikon Fの最も一般的なパーツですが。)
裏蓋のASA表示も400までとなっており、「MADE IN JAPAN」の刻印もこの当時の特徴を示しています。
セルフタイマーレバーも最も一般的なタイプですね。
各パーツについて684万番そのものなので、恐らく魔改造されたものではなさそうです。
次に状態を見てみましょう。
比較的キズも少なくNikon F としては良好な部類だと思います。
ミラーに浅い線キズが見られるのが残念です。
プリズムはファインダー側に剥離が少々みられます。
ファインダーから見た様子はこのような感じでスクリーンに少々ダメージがあります。
次に動作チェックです。
巻上げ感触は良好です。ガバナーも簡易整備で問題なく動作しています。
高速シャッターですがMinoluオリジナルの1/1000秒テストを行いました。
第6話でも紹介させて頂きましたが、
「デジカメで1/1000Sで露出が合うISO値と絞り値を調整し、絞り値とISO値はそのままでシャッター速度はスローにします。
Nikon Fは1/1000Sでシャッターが切れるようにセットし、デジカメのシャッターを押すと同時(シャッターが開いているタイミング)にFのシャッターを切ります。(下図)」(第6話から抜粋)
↓ テスト結果の写真比較です。ここでは明るさだけを比較します。
デジカメ写真よりもNikonFのシャッター利用の写真が明るくなっていれば、1/1000秒以下のシャッター速度ということになりますが、ほぼ同じ明るさであることが分かります。
この簡易検査では1/1000秒が出ていると判断しています。
今回はごくごく一般的なNikon Fのご紹介でした。